虫穴の修理
虫穴の修理
桐たんすの修理・再生時にお客様宅より、お引取りをする箪笥に虫穴があることがあります。大正・昭和初期は、木工ボンドが普及してなく、お米を練って(米のり)接着材の代用として使用しておりました。
お米に含まれるタンパク質と僅かな水分を餌に虫食いが発生することがあります。特に湿気のある環境と栄養源がある場合には虫食いが発生しやすくなります。お米の練りボンドは、虫にとって餌の一種となり得るため、虫穴が生じる可能性が高くなったと考えられます。
上記は、洗い終わって乾かした後のタンス(本体)の映像です。
縦に割れて線が入っていますが、線の左右に虫穴があります。
補修に取り掛かりますが、表面のポツポツとある虫穴の内部は虫が食べ歩いて、スカスカの空洞状態になっています。
引き出し虫穴の映像です
内部は、白アリが食べ歩いたみたいになっています。
これは、キクイムシです。
桐タンスは、張り合わせをしています。
近年は木工ボンドですが、昔はお米を練ってボンド替わりに
使用していました。そこに虫が湧いてきます。
内部の虫が食い荒らした部分は木のハギ合わせの部分です。
キクイムシは、幼虫が成虫になると、お米のわずかな、たんぱく質(デンプン)成分と、木のわずかな、水分を食べて生き延びるようです。
成虫になった後の寿命は7日~10日程だそうです。
表面の穴は、外部に出る時に開きます。
桐箪笥のリメイクで、引取りをさせて頂くタンスは何十年も経っているタンスがほとんどですので、桐の木も枯れています。
現在(今後)はもういないと思われます。
虫穴の多い場合、新しい材料に張り替えになります。この場合、引出し一段につき、別途¥7,000程掛かります。
全体に虫穴が有る場合は、部分的に材料を取替えて、修理をしていきます。
下記のタンスは、台輪部分と引戸部分を新しい桐材で作り替えました。
桐たんす修理とリメイクについて